2025.7.22-7.28 第6回AOKI起業家育成プロジェクト 海外視察研修(フィンランド・エストニア)が開催されました

2025年7月22日(火)〜7月28日(月)の7日間、第6回AOKI起業家育成プロジェクトのフィンランド・エストニア海外研修が実施されました。メンバー12名がヘルシンキ、ヌークシオ、タリンを訪問し、北欧の起業家精神や社会制度について実践的な学びを深めました。

Day1:7月22日(火)@東京→ヘルシンキ

羽田空港からフィンランド・ヘルシンキへ移動。長時間のフライトを経て、無事ヘルシンキに到着しました。今回の研修のツアーコンダクターである三橋さんにお出迎えいただき、バスでホテルへ移動しました。三橋さんはフィンランドで起業された経験をお持ちで、現地の起業家や主要人物との幅広い人脈を活かし、短期間でも濃密なプログラムをコーディネートしてくださいました。到着後は時差調整のため早めに休み、翌日からの本格的な研修に備えました。

Day2:7月23日(水)@ヘルシンキ

2日目はヘルシンキの街並みを散策することからスタートしました。散策する中で、電動キックボードに触れたり、オールドマーケットにて日本とは異なる食材の販売方法に触れる機会となりました。メンバーからは「街に広告がないこと」「人々の穏やかな雰囲気」など、フィンランドの街の特徴について様々な気づきが共有されました。

続いて、市民に開かれた運営方針のもと運営される先進的な公共図書館「Oodi」を視察しました。本の貸し出しだけでなく、3Dプリンターや音楽機材など多様な設備が整い、市民が自由に利用できる空間となっていました。館内にある飲食店にて各自昼食を取り、午後の活動に備えました。

午後は在フィンランド日本大使館を訪問し、大使館公邸にて大使館の存在意義や大使館での仕事について詳しくお話を伺いました。メンバーからは外交の役割やキャリア形成について積極的な質疑応答が行われ、国際的な視野を広げる貴重な機会となりました。

夕方にはJAPANESE IN FINLANDの三橋さんから、起業の経緯や今後の展望についてお話しいただき、ディスカッションを行いました。現地レストランCafe Engelにて夕食を取り、フィンランドの食文化も体験しました。

Day3:7月24日(木)@ヘルシンキ

3日目はアアルト大学内にあるEnter Espoo社を訪問し、清水さんから会社の役割やエスポー市について、市のエコシステムについて講演をいただきました。フィンランドの起業支援の仕組みや、行政と民間が連携した起業家育成の取り組みについて学び、メンバーからは日本との違いについて活発な質疑が行われました。

アアルト大学では、大学在学中の日本人留学生・学生によるキャンパスツアーを実施いただきました。Start-up Sauna・Aaltoesなど、起業家育成の拠点を見学し、学生による起業活動の実態について理解を深めました。学生食堂にて、学生さんと一緒にランチを取り、フィンランドの大学生活についても直接話を聞くことができました。

午後はEnifer社を訪問し、林さんからEniferの会社紹介をいただきました。実際に製造しているマイコプロテインを含んだケーキの試食を行い、サステナブルな食品開発の最前線に触れる機会となりました。メンバーからは「新しい食の可能性」「環境問題への具体的なアプローチ」について多くの質問が出されました。

その後、東北大学の児玉さんとオンラインで繋ぎ、前年度までアアルト大学の起業家コースに留学していた経験談をお話しいただきました。続いて、NinjaLabの道勇さん、開業された崎さんから、フィンランドでの起業・開業経緯について講演いただき、質疑応答を行いました。

Etu-Töölön Lukio高校では、Jenni先生による起業家育成ワークショップを体験しました。3人1チームを作り、「Bad idea is a good idea」悪いアイデアはいいアイデアという理念の下、想像力を最大限に使って今までに見たことのないような新しい商品やサービスを創出するワークを実施しました。夕食は崎さんが経営されているレストランMurasakiにて、Jenni先生を交えて実施しました。

Day4:7月25日(金)@ヘルシンキ→ヌークシオ

4日目の午前中は、前日の起業家育成ワークショップで考えた新商品・サービスについて、Kamppiショッピングセンターで「デザイン思考チャレンジ」を実施しました。一般の人々にインタビューを行い、どの商品・サービスにいくら投資できるか人気投票を実施。メンバーたちは積極的に現地の人々に声をかけ、実際の市場ニーズを肌で感じる貴重な体験となりました。

MUJIの無印良品カフェにて昼食を取った後、デザイン思考チャレンジの成果発表を行いました。三橋さんからは、各チームの提案に対して実現可能性や課題設定の具体性について建設的なフィードバックが提供されました。

午後はバスでヌークシオ国立公園へ移動し、現地ガイドの案内のもと森歩きを体験しました。北欧ならではの自然を全身で感じるとともに、フィンランドの自然保護の考え方についても学びました。その後、フィンランドの伝統的なサウナ文化を体験。サウナの後には体を冷やすために湖に飛び込むという現地の習慣も実践し、メンバーたちは「青春を感じた」「貴重な文化体験ができた」と感想を述べていました。

夕食は湖のほとりでBBQを実施し、現地の中学生がいる家庭と交流会を行いました。フィンランドの学校生活や暮らしについて直接話を聞く機会となり、教育制度や価値観の違いについて理解を深めました。

Day5:7月26日(土)@ヌークシオ→タリン

5日目はフィンランドからエストニアまで約2時間のフェリー移動を行いました。フェリーの中では昼食を取りながら船内の見学を行い、ビジネスプランの検討も進めました。メンバーたちはチームごとに集まり、これまでの研修での学びを活かしたプラン作成に取り組みました。

タリン到着後、JAエストニアのエップ氏・ロージャー氏から、JAエストニアの取り組みだけでなく、エストニア・タリンの歴史・文化・社会制度・環境について講演をしていただきました。特にエストニアのデジタル化の進展や、小国ながら世界的に注目される理由について詳しく説明を受けました。

ワークショップでは、20年後の生活環境を想像し、そこで必要となるサービス・製品を考案して発表活動を行いました。各チームは「AIによる生活支援サービス」「環境問題を解決する新技術」「高齢化社会に対応した新サービス」など、未来志向のアイデアを提案しました。一部のメンバーは急遽英語でのプレゼンテーションに挑戦し、グローバルな発信力を養う機会となりました。

その後、エストニアの旧市街を観光し、中世の面影を残す石畳の街並みや歴史的建造物を見学しました。夕食は各自ショッピングモールのフードコートやスーパーマーケットで購入し、現地の食文化を体験しました。

Day6:7月27日(日)@タリン

研修最終日は、フィンランド・エストニアで過ごした5日間の学びを振り返る個人成果発表を実施しました。各メンバーは「事前に立てた課題への気づき」「メンバーの良かった行動」「自分にとっての起業とは」という3つのテーマで発表を行いました。

メンバーからは「信頼を基盤とした社会制度の重要性」「SISU(粘り強さ)という精神性」「失敗を学びに変える起業家マインド」「自分のやりたいことを実現する環境づくり」など、それぞれが独自の視点から研修での学びを共有しました。特に印象的だったのは、多くのメンバーが「起業とは手段であり、自分の願いを叶えるための方法」「チームで創り上げていくもの」「自分のやるべきことを実現すること」といった気づきを得ていたことです。

三橋さんからは、「ネットワークの重要性」「自分を褒めることの大切さ」「信頼関係の両面性」について総括コメントをいただき、今後の成長に向けた貴重なアドバイスを受けました。

この研修を通じて、メンバーたちは北欧の起業エコシステムや「信頼」を基盤とした社会制度について体感するとともに、異なる文化圏での価値観や起業家精神について理解を深めました。アメリカ研修とは異なる文化圏での視察により、起業家を生み出すエコシステムの多様性を学び、グローバルな視点での起業家マインドを養うことができました。

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